スレイヤーズすぺしゃる(著 神坂一)を読んだ

短編『白魔術都市の王子』と『刃の先に見えるもの』の2つを読みました。

■スレイヤーズすぺしゃる 1巻 『白魔術都市の王子』

リナとフィリオネル殿下の出会い。

私が物心ついた頃には「王子様といったら白馬に乗ったハンサムな若者」というベタなイメージはすでにオモチャにされてて、実際リアルに王子様的な立場の人間も大抵はオッサンだし、きわめつけにウテナを浴びたため、フィリオネル王子ショックってそこまででかくないんだよね。もっとも温度差を感じたネタかも。
初出が1989年らしいのでそこはなるほど感がある。

フィルさん、第三王位継承者のランディともこんなイザコザがあったとなると、「セイルーンといえばお家騒動」とか言っても差し支えなくなってきたな。アメリアとグレイシアさんとやらは揉めなきゃいいんだけど。

治癒(リカバリイ)の仕組みが説明されたのが地味に面白かった。
駆け出しの頃、自信たっぷりでお姉ちゃんに治癒かけたらあっという間に肺炎まで悪化させた話も笑い事じゃないけどよく出来てて面白かった。

「平和主義者クラッシュ」「人畜無害キック」←間違いなくアメリアのお父さんで良い

 

■スレイヤーズすぺしゃる 21巻 外伝『刃の先に見えるもの』

ガウリイの外伝。

美女と見紛うほど整った顔をした黒髪の男性が出てきて突然のBLチャンスに心のフロアが最高潮ドッと沸いてたんだけど、

「オ……オレは別に、あんたに惚れてるわけじゃあないぞっ!」
「当たり前だボケェ! 誰もそんなこと言ってねえっ!」

162ページより引用

めちゃくちゃ丁寧に否定されたので解散となった。

まあ黒髪さんはすごい愛妻家らしいしね…(この世界って一夫一妻制なんですか???)
女房と子どもが嫌がるからって禁煙してるの偉すぎるから頑張ってほしい。

お話としては魔族の好物は本当に趣味が悪い!に尽きる。
不運な奴や不当に搾取されてる弱者がまた別の弱者を陥れたり虐げる構図はレゾとレゾ(コピー)の頃と変わらず、人は愚かだな〜…というやるせなさが残る。

いや、ていうか、黒髪美形中年男性、ズル…ズルくないですか!?確かに一言もリナの父親とは言われてないですけどそれ抜きでもこのポジションはズルすぎる。
でも光の剣だとわかった途端めっちゃ欲しがるところまで娘さん(暫定)にそっくりで微笑ましい(そうかな)

ガウリイは、剣の柄を軽く叩き、
「……オレのうちで、な、こいつを巡って、いろいろごたごたがあったんだ。
こんなものさえなけりゃあ……って思って、こいつを持って飛び出したんだ。
けど、あんたは言ったろ。こいつで何かできるかもしれない、って。
それを今、確かめてみるのも悪くないだろ」

171ページより引用

光の剣、わりとあっさりガウリイに受け継がれたものかと思っていただけに、ここらへんは普通に驚きました。ゴタゴタとかあったんだ…。
しかもこれ飛び出したきりなのかな。
(噂では何やらお兄さんがいるらしくて、弟属性まであるのズルすぎる。ズルい奴しか出てこない)

リナの一人称による本編(第一部)を読んだ限りではガウリイにそんな背景があるとは思いもよらず、何故ならリナから見たガウリイって悩みとか翳りの一切無いノーテンキな奴だからなわけで、でもそれってガウリイが黒髪美形中年男性に言われたことを律儀に守っているからなんだよ☺というお話なんですかこれは……???
つまり、ガウリイは悩んだり考えたりしていないわけではないけど、それらを『惚れた相手』の前では見せないようにしていたんですかずっと……???????

あまりのことに読み終わってヒィ〜〜〜ってなっちゃったよ。
こんなことが許されるんですか…!?もはや叙述トリックじゃん!!!
ガウリナ強火すぎてびびり散らかしている…。
え〜……めっちゃ良かった…。
めっちゃ良かったな……。読めて良かった…。

ガウリイが黒髪美形中年男性と再会する時、それぞれが一体どういう立場と状況になっているのかが非常に気になりました。

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