神坂一 『スレイヤーズ 11巻 クリムゾンの妄執』

口絵でルークが死んでたので「早くない???(!???)」とか思ってたら、そもそも今回ルークとミリーナは登場しなかった。

ていうかルークじゃなくてディラールかよ!!!

ディラール、「コイツ急に出てきてムチャクチャ怪しいな…」と疑って読んでいたので、死んだ時も「と見せかけて実は生きてるやつなんだろうな」とか思ってたのに本当に死んでて可哀想だった。
「リナ=インバースが感染ったらどうするんだい!?」あたりのやり取りとか楽しかったのにな。
ていうか言われてみればガウリイ、リナと出会ってから確かに世間一般的な『いい目』には遭ってない…カモ………!!??て、ハッとした。冷静になんかなるな……!

敵がわやわや襲ってくるような地底湖(?)を、あえて敵が襲ってくるようにフラフラ渡るところとか、魔道士が3人+戦力リソースがあるからこそ出来るかんじのやり方で面白かったな。
水中仕様や空中仕様(こっちはただのキメラ?)など、喚び出した魔族をそのへんの生き物に乗り移らせる術の厄介なバリエーションが増えて対処がめんどくさそう。

戦闘は前回新しい謎剣を手にしたガウリイの活躍がずっと頼もしくて嬉しい。
でもこの魔力剣には下手に他の魔力とか乗せられないらしい。
武器を鍛えていく系のゲームで、入手したばかりの頃はバリ強だけど、素材とか魔法とか集めて合成させれば強くなる他の剣よりも成長性が低いみたいなかんじ?使いこなせればまた違うのかな。
この剣の出自とかって今後も不明のままなんだろうか。

ラグナブレードはここぞという時に頼りになるな〜。決め手としてギガスレイブよりも使用回数多いイメージがあるけど実際どうなんだろう。

アリアもディラールも短い間とはいえ一緒に過酷な旅路をくぐり抜けた奴らなので、二人とも死んじゃうのは結構厳しいな〜と思いつつ、でもスレイヤーズって湿度がマジで低いから人の命の扱いこんなもんだよな〜…という納得の塩梅。

なので、自分が姉妹(だったもの)にトドメを刺したということもあるけど、リナの「……ただ……さすがにちょっと……重いな……って……」は逆にびっくりしたかもしれない。
半分を背負うガウリイが一緒にいてくれるのは本当にありがたいことだなあ…としんみりしてたら、流れるようにイチャつき始めて可愛かった。

ドゥールゴーファの辺りを除けばこれだけで独立したストーリーになってる、わりとシンプルなお話だったように思う。
『姉妹』というモチーフに引っ張られている気もするけど、なんかしんみりするところ含めて爆れつハンターのアニメあたりに出てきても違和感の無さそうな雰囲気だったな。

姉妹の不幸、すべてはカイラスがクソ野郎だったせいなんだけど、ベルの(愛はともかく)憎しみまでもが『自覚的に』アリアに向かっていたのはこういう話ではちょっと意外で、「自己犠牲は欺瞞です!!!」という、愚かな人間に対するどこか乾いた眼差しが感じられて良かった。
だからといって婚約者を失って妹だけでも守ろうとした、料理が好きな普通の女性に他に何が出来たんだろうというしんどさがあり、まあ全部カイラスの三流悪役クソバカ雑魚野郎が悪いんですが………。
あと、シェーラ(暫定)か…。魔族は何がしたいんだろう?

今回タイトルが特に良いですね。
クリムゾン・シティの造りも面白かった。
水の都の水面が夕焼け色に染まる様子を指して『クリムゾン』と呼ぶのが美しいし、『赤い妄執』は、シリーズ通してのキーワードである赤色に加えて、姉妹の血の色とかにもかかっているのかもしれないなあとか思わせるところがすごくてよかった。

それにしてもこの世界の魔道士協会ってあんまり格好良いイメージが無いな今のところ…。
魔道士からしたら協会みたいなある程度統制が取れて権威的な組織が必要な場面が多々ありそうだということもわかるんだけど、この調子だと野良の魔道士とかも結構いっぱいいそうだ。
運が悪いと合成素材にされがちな世界がまず怖すぎ!

次巻はさすがにルクミリシェあたりも出てくると思うし、二部のほうが一部よりも方向性ガッチリ決まってる雰囲気が漂ってはいるけど、どういう方向に向かってるのかまだよくわからないや。

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