カササギの魔法シリーズ
著/KJ・チャールズ 翻訳/鴬谷祐実 装画/yoco
https://www.shinshokan.com/monochrome/charm_of_magpies.html
マストドンに上げていた感想ログ
『ロマンス小説』ジャンルの定義のひとつに「HEA(ハッピーエバーアフター)が約束されている」というのがあると知ってからはピンチが訪れてもわりと気楽に読めるようになったのでありがたいな
調子が悪い時ってハラハラしすぎたり落ち込むのが嫌だから途中で読むのやめたりする本わりとあるし
■1巻 『カササギの王』
読み終わって調べるまで気づかなかったんですけど『イングランドを想え』と同じ作者だったんだね。
関連:小説「イングランドを想え」感想
ていうか「途中の展開(主役カップルが命にかかわるピンチを迎え、すごい勢いで人が死ぬ)がイングランドを想えを彷彿とさせるなあ!海外BLかつ舞台が被ってる?から自然とそうなるのかな?」とか思ってたので疑問が解けてめちゃくちゃスッキリした。
「ヘクター・ヴォードリーに苦しめられた家族は他にもいた。でもあんたたちは自分の家族が傷つけられるまで何もしなかった上に、何の関係もない無実の男を殺そうとした。それは正義などではない」
133ページより引用
「あんたが言っていたこと、だよ。間違ったことをする人間を放っておくなら、いいことをする意味がないって。そうだろ?」
スティーヴンは笑った。本物の、片頬を上げる笑顔で、瞳に明かりが灯った。「その通り。ありがとう、ベルさん。本当にありがとう」253ページより引用
ベルさんとのやり取り、好き。
仕事や人命や尊厳に関してはつねに「正しい」男なのに、列車の中で窓から街に向かって見せつけックスとかやり始めるし「うちらがエッチしたせいで汚れちゃったこの窓を掃除するのが知り合いの下男じゃなければイイナッ……///💦」てなるのは全然わからん…………なので、恋愛描写はつねに置いてけぼりなんだよな。
そんな場合じゃないのに道端でイチャコラしてたせいで敵の黒幕とすれ違ったのも見逃すしよぉ……。
なんかあんまりそれどころじゃない場面でイチャコラされると「バカ!!今どういう時かわかってんのか!」てなってしまうし、あの時イチャコラしてたせいで、やはり後々ピンチが訪れてしまったので「それ見たことか!!!!」の野次を飛ばす読者になっている。
恋愛模様以外のシーンはスリリングで面白いです(ロマンス小説とは…)
いやでもカササギの入墨が二人の間を行き来するとかいうエピソードはエロい上にロマンチックで超〜〜〜!!!好き!
絵面を想像すると美しすぎてニコニコしてしまう 素敵〜!
■2巻 『捕らわれの心』
読み始めたところなんだけど、1巻の時点で何も考えないで読んでたけどそうだよね……この時代のこの地域って同性愛は重罪なんだよね…?それなのにこの人たち列車(汽車かも?)の窓に張り付いて世界に見せつけックス♥してたの!?!?
窓の掃除をする人のことを思ってドキドキ♥スリリング見せつけックス♥だけでも引いてたのに、時代背景を鑑みるとめちゃくちゃクレイジーカップルな描写だったんだなあれ!?!?
本邦の人権意識が遅れすぎているため(?)道端でイチャイチャしてるところを誰かに見られそうになって慌ててやめる描写なども違和感なく普通に流してしまった……(下手したら死刑になるような時代と場所での対応に違和感をおぼえなかったのヤバ)
良くないヘキ:
攻め(身長180センチ↑)が悪いやつに『陵辱』されるエピソードが出てきて大喜びしちゃった☺
攻め、元は貴族なのに若い頃は体を売っていたり、変な将軍に気に入られて体に入れ墨を彫られたりなどしているのも良い。
「非処女攻め」や「闇オークションにかけられる攻め」が見たい気持ちと近い部分にある欲望がどんどこ満たされていく。
受け(身長152センチ)の痛々しいまでの正義感の強さも相変わらず良い。
カミングアウトのところ良かった。本当に良かった……。良い同僚(パートナー)で本当に良かった~~~。
次で最終巻だけど、死産の話とかつらすぎるし、従者のメリックもハチャメチャ幸せになってほしい〜〜〜…!!
■3巻 『カササギの飛翔』
LGBTQ差別がひどかったイギリスも10年前に同性婚を認めた 世論を動かした「小さな変化」とは:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/248923
中華人民共和国におけるLGBTの権利
https://w.wiki/6gu9
「上海ならイチャイチャ出来た」もそうだけど、主人公カップルがイギリスを飛び出して日本でラブラブハッピーエンド(後日談)を迎えてるの、「日本は昔からLGBTに寛容」みたいなこと言ってる人達の認識のやつを思い出してしょっぱい気持ちになってしまった 意図してるわけではないだろうに、皮肉な結末だな〜…。
メリックさんはまあ、びっくりしたけど良かったですね…!?
2巻読んで「幸せになってほしいよ〜!」とか言ってたけど、まさかそんな幸せの形アリ!?とは思いつつ。
オッサンと若い女のカップルに対して作中できちんとツッコミが入るの真っ当で羨ましいまであるな。
メリック自体がロリペド野郎っぽいキャラクターだったわけではなく、ずっと未亡人趣味の遊び人であることが描写されてきたため、読者の倫理観がバグって「むしろ若いセイントはガチ恋なんだ!?」判定になるの普通に上手いんだよな(バグったの私だけかもしれない)
ていうか「セイントは判断力も経験もしっかりある一人の対等な大人の女なんだが〜!?」という話もしてるしね。
審判者の仕事部分に関しても、若干ご都合主義的ではあるものの、最後まで「正しく」あろうとしていて良かったな。
相変わらず人はメチャクチャ死ぬが……刑事さん死んじゃったの気の毒だよ~…。
一応1巻から張られていた伏線も綺麗に回収されたし諸々の決着がついて良かった(人は死ぬが…)
SMプレイ含めてラブラブ描写は最後まで置いてけぼりだったけど大変面白くて良いシリーズだった。
そんな方法でリバ匂わすことある!!??ファンタジーってすごい。
鉄は力の流れを遮断するから手錠を嵌められると能力が使えなくなるという設定、危険なお仕事部分でヒヤヒヤさせるためのものかと思いきや、プレイ時にガチで抵抗できない♥シチュエーションを整えるのにも使われてたの無駄がなくて良かったんじゃないかな…勉強になる……(?)
めちゃくちゃ忙しい同僚が週4で恋人と会って致してる上に手錠とか使ったSMプレイまでしてる話を同僚の相手から聞かされるドクター気の毒で良かったな(しかも本筋とはあんまり関係ない情報だったという)(良くないだろ)
ただなんというかこう、主人公カップル以外は生殖ハッピーエンドなのがこう〜〜〜……!みたいな雰囲気はある。
いやまあいいんですけど。
連続してM/Mロマンス小説の生殖ハッピーエンドを浴びたせいでちょっと疲れてしまった。
ロマンス小説なので、主役カップルが幸せになるのは「絶対」必要→わかる
なんだけど、幸せの定義がなんとなくどこかしら『出産』と紐付けられているような居心地の悪さがあるというか。
それぞれ代理母出産、繁殖、脇役CP全員生殖ENDなど、それらが担保されて初めて主役同性CPの幸せが”許される”雰囲気みたいなものがなくないか……?みたいな…、ウーン!まとまらない!
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最初、世界観がちょっとよくわからなくてまごついたけど、全3巻という長さもちょうどよくて面白いお話でした。
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