Twitterとかいう議論に不向きすぎる場所

SW差別をしているアカウントと、トランス差別をしているアカウントがやけに被っているせいで、トランス差別をしているアカウントをかなりの数ブロックしてしまっている私には話の全貌を把握できてるとはちょっと言い難いんだけど、文脈を無視して印象操作された間違った話が広がってるのキツイな〜と感じたのでちょっとつらつらと…。

間違った文脈で別のところから「いや〜!これは良くないことですねえ!」という雰囲気で届いてきたのでさすがにびっくりしてしまった。
あと何かめちゃくちゃ大喜利とかのオモチャにされていませんか…?信じられない…。

あまり詳しくない・まだ全然勉強している最中なので、私から言えることは実はあまりなくて、なので「こういう本や記事や当事者の話に耳を傾けた上でみんなでそれぞれきちんと考え続けていこう(考えるも何も当事者はすでに存在しているのでこれは本当に傲慢な言い方です)」という話。

読んでほしい

『セックスワーク・スタディーズ—当事者視点で考える性と労働』

共著で、思うところが無いわけではないんだけど、すごく大切なことが当事者の視点から書かれてまとめられているので、「よくわかんないけど…」と前置きしながらいっちょ噛みする前にでも試しに一読することをオススメします。
Kindle Unlimitedにもあるので、比較的手が伸ばしやすいと思う。

森山至貴『LGBTを読みとく ──クィア・スタディーズ入門 』(ちくま新書)

「入門」となっているけど、私の頭では読むのが結構難しくて大変でした。でもめちゃくちゃ勉強になったので、本を読むことができて、本の読める状態にある人には是非ともオススメしたい一冊。私も理解できるように何回も読もうと思う。
「駆け足で」語られており、密度が半端ないんだけど、この本を読んで特に気になったトピックに読者がそれぞれ触れていくことができるキッカケを作ってくれる構造になっている。
レズビアン排除やトランスジェンダー排除など、歴史を紐解いても「フェミニズム」は完璧ではなく、大きな間違いや過ちを繰り返してきていることもよくわかります。
同じ過ちを繰り返して犠牲になる人を増やさずに済むよう、学んでいくことの大切さを実感しました。

清水晶子『フェミニズムってなんですか?』 (文春新書)

これは今年に発行された新書で、電子書籍もあります。つい最近読み終わったところなので自分の中で一番HOTということもあり多めに紹介します。

私はフェミニズムのこともまだまだ全然勉強中なので、ぼんやりとしかわかっていなかった第1波から第4波までをざっくり網羅しつつ、近年話題・問題になっている様々なトピック(以下話題の一部)に絡めつつわかりやすく語られていて大変読みやすかったです。

性風俗事業者はコロナ給付金の対象外 東京地裁「合理的な区別」
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ6Y748XQ6TUTIL002.html

公園トイレで出産し遺棄、未婚中絶へ「男性同意」が壁に…堕胎時期を逃す
https://www.google.com/amp/s/www.yomiuri.co.jp/national/20210924-OYT1T50055/amp/

「有罪判決はマジョリティの価値の押し付け」。双子を死産したベトナム人の元技能実習生、無罪を求める最高裁への上告趣意書の内容とは?
https://bit.ly/3chQqaS

同性婚を認めないのは「違憲」札幌地裁が初の判断
https://www.bbc.com/japanese/56424717

コロナ禍で顕著になった、生きていくために必要とされる仕事ほど賃金が低い現実。 | SDGsナビ [ SDGs NAVI ] https://sdgs-navi.com/topics/4667

などなど。

五輪開幕の今こそ考えたい、スポーツにおけるセクシズム──井谷聡子×清水晶子【VOGUEと学ぶフェミニズム Vol.13(前編)】
https://www.google.com/amp/s/www.vogue.co.jp/change/article/feminism-lesson-vol13-part1/amp
こちらは収録されている対談のweb版かな?

>”今回のオリンピックでもナミビアの女性選手二人が生まれつきのテストステロン値が通常レベルより高いということで参加資格を失っています。このような状況に対しては、「(女性として)通常」という基準自体がしばしば白人の女性を念頭において設定され、人種の異なる女性たちの「女性らしさ」の欠如に疑いの目が向けられてきた、その歴史と地続きだ、という批判もあるようです。”

特に「Twitterで女性差別に関してよくバズるツイートを見かけることが多いから、この人の言ってることこそが『正しいフェミニズム』なんだろうな〜」みたいな認識の人は今絶対に読んでおくべき本だと思いました。

「セックスワーカーを包括する社会へ」という項目を読んでもわかるんだけど、SW差別に反対している人の中には、働かざるをえないからといって不向きな仕事を無理やりやらされていたり、本人の意志を無視して不当に働かされていたり、体を壊すような過重労働をさせられていたり、尊厳を踏みつけるような人間としての扱いがきちんとしていない危険な職場などに関しては、ハッキリ反対したり、きちんと是正され、改善されていくべきであるという意を示している人が沢山います。
(搾取側や不当に消費したい側の思惑は私にはわかりませんが……そういうのとも見分けつかないもんなのかな〜…)

>”日本でも、ともするとセックスワークに道徳の視点を持ち込み、二〇二一年四月の政府側の主張のようにセックスワーク全体を「不健全」と否定したり、逆にセックスワーカーをかわいそうな犠牲者としてだけ見たりする傾向があります。もちろん、実際にセックスワークの現場で、不当な収奪を受けたり、心身を危険に晒されたりしている人々がいるのは、事実です。それは重大な人権侵害にあたりますし、それを放置したまま性産業の現状を追認するのは人権侵害への加担に他なりません。けれども、繰り返しますが、セックスワーカーが直面する収奪や劣悪な労働環境を改善するために必要なのは、セックスワークを根絶すべき害悪として特殊視することではなく、セックスワーカーの労働者としての尊厳と権利、つまりより安全でより公正な環境で労働する権利とを、尊重し、追求することなのです。”
(引用:『フェミニズムってなんですか?』著者: 清水 晶子)
https://a.co/a4cvBl3

北欧モデルの話も読んだけど、SWを犯罪化したり過度に罰することで弱者や搾取される側にしわ寄せが行ってますます危険なことになるそうです。読むと納得できてしまう(つらい)

なので、まずは社会が蔑視や職業差別をやめて普通の職業と同じように(給付金とか、補償を出すなんて大前提だよ…)扱う必要がある。
働いている人の心身に危険がないよう、きちんと人間として、安全を保障された職業として尊重されるべきです。
(大切なことだから言っておくけど、やりたくない人や騙されたり脅されたりして嫌々働いてるような人が助けを求めているケースはもう別問題ですよ!!!)

性産業の禁止は、働く人にどんなリスクを生むか Save us from saviours! – wezzy|ウェジー
https://wezz-y.com/archives/80438
数字だとここらへんからとかから調べられるかも

>その結果、セックスワーカーは何か危険な目に遭っても当然警察には頼りづらくなり、結果、客の優位性が高くなり、暴力被害が増大し、不可視化する。

私もケースによってはすぐに「福祉!!!」という気持ちになったり叫んだりしがちだし、実際、本当はやりたくない人や向いてない人は就くべきではないし、その中には行政や福祉の手が必要な人というのも勿論大勢いるだろうけど、この問題はまず「労基!!!(そして偏見!!!!!)」という話のような気がするんだよな。
しかも国内だけの問題ではなく、人類社会の倫理観が死んでるという問題がでかすぎて途方も無い。

「水害の危険性から韓国で半地下の家が禁止されるので、今まで半地下の家に住んでいた人達は住む所を失ってしまう」という話を聞いた時も、「えっ!?」てなったんだけど、今すでにあるものや存在する人がやっている・やらざるを得ないことを「罰則化」すれば、それらに無関係な人は「正しくないもの」が視覚から消えてスッキリするのかもしれないけど、「正しくない」とされてしまったところにも人間がいて、それぞれの生活と人生があって尊厳があるわけでさ…。
たとえ善意からだとしても、ある属性の社会的なスティグマを強化することは、絶対にあってはならないことです。

そういう意味でも、この本も是非とも読んでみてほしいと思う。

キム・ジヘ『差別はたいてい悪意のない人がする 』

>”だれもが平等を望んでいるが、善良な心だけでは平等を実現することはできない。不平等な世界で「悪意なき差別主義者」にならないためには、慣れ親しんだ秩序の向こうの世界を想像しなければならない。”

すべての差別は繋がっているので、「A差別には加担しているけどB差別には反対している(ので反差別の人である)」みたいなのは成り立たないんですよね。

「神道や旧統一教会、自民保守派とつながり法整備の妨げに」LGBT差別に反対する有志が抗議、署名5万筆超(弁護士ドットコムニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/065dd6076fb5bed2898fd4ca6b0a2d42b15ab089

【ポリタスTV 7/21】
1⃣統一教会や日本会議などの宗教右派と自民党の関係
2⃣ジェンダーの観点から宗教が女性政策に与えた影響を解説

後編は2010年代以降の宗教右派の動きを解説。斉藤正美さん @msmsaito と山口智美さん @yamtom に伺います。 #ポリタスTV

私は無料期間に初めてこの番組を視聴したんですけど、トランス差別もSW差別もみんなこういった与党議員や、彼らと深い繋がりのある反LGBTQ+団体の人々を喜ばせたり潤わせているだけだということが、同じやり口からよく理解出来たので、もし機会があればこのへんも(私は動画を見るのが苦手なので、本を読むよりずっと大変だった)

私自身の話をすると、先天性基礎疾患と複数の障害(二次含)があり、子どもの頃から福祉医療のお世話になりつつ自分にもできる仕事をこなしつつなんとか暮らしているような人間なので、「福祉の世話になる=みっともない(悪いこと/堕落/不真面目/ズル/汚い)」とは思っていません(本当は自身の状態を明かさなくてもそう言えて、それが本当に信じられる世の中であればどれだけ良かったか…)
不調がヤバすぎたり、今よりさらに知識が無かった頃は(周囲からそう言われてきたこともあって)「こんな『不足だらけ』で足手まといな自分なんて世のためにも人のためにもならないんだから、早く死んだほうがいい」とかいって、内面化された差別心に苦しめられていた時期もあったし、でもそれが倫理的にも論理的にも間違いであることも頭ではわかる。

今はむしろ「国の政策がカスなために苦しい生活やしんどい思いをする人がいるのなら、利用できる権利はどんどん行使していくことこそが筋である」と考えます。

だけど普段から「SWは悪いものだから無くしていこう」とか訴えている人が「(SWの)仕事が無くなったら福祉に繋げることができる」とか言うのは文脈が違いませんか…。
それこそ一般の人が「こども食堂、大変だと思うけど頑張ってね」って運営や子ども達に言うのと、総理大臣が同じことを言うのでは全然意味が違うみたいな話になりませんか?(ちょっと違うかも)

「この世から完全に無くなったほうがいい(と、自分が思っている)ものが無くなるなら、よかったじゃないか!なに、仕事が無くなって困るのなら福祉にでも頼るがよろしい」

私というフィルターを通した意訳なので実際は違うかもしれません。だけど私が最初に目にした時にはこういうニュアンスを批判されているんだろうな…と流して見ていたものが、いつの間にか、まったく違う形になって他の人からTLに流れてきたので心底ゾッとしました。

もしかしたら私が見ていないだけで、こういった発言を当事者の立場から批判した方が、その後に福祉や福祉利用者を差別するようなことを言ったのかな?とも思ってアカウントを見に行ったんだけど、むしろ必要になれば自身も使いたいというようなことを仰っていたのでそういうかんじは全然無かった。

要するに、「Twitterは議論とか話し合いにもっとも不向きなツールのひとつである」という話なんですけど……。

「(差別している職業が)無くなったら労働者はそこに行けばいい」という文脈で用いられることのほうが、福祉を利用している私にはカチンときたのでこうして長々と書きなぐっているのかもしれない。

社会からスティグマを強化されて今の生活を不当に奪われたり「普通」の人達から(たとえ善意からだとしても結果的に)人間とはみなされずに、見下されたり嘲笑されたりする対象が明日は自分なのかもしれないと思うと、話の通じなさに心底絶望してしまう…。

たとえ無自覚であっても、「良かれと思って」であっても、相手に対する見下しや蔑視感情というものは言う側が思っているよりもずっと相手に伝わるものだし、「良かれと思って『やってやってる』」というのは、ある種パターナリズム的な『支配』の手段にもなり得るので、ここらへんは自分も本当に気をつけたい。

私はフィクションコンテンツの様々な表現を愛好し、架空の物語や非実在キャラクターに対して尊厳や人権を無視したような悪趣味な眼差しまで向けがちな、所謂「悪いオタク」なんですが、今回話題に出したように、自分の必要に応じて福祉制度や医療制度を利用しているし、(微々たるものだけど)UNHCRやこども食堂やColaboなど、その時々で良し悪しを自分の中の秤にかけて考えて、その時の自分にできる限りの支援をさせてもらったりしていて、国だろうがソシャゲだろうがやり方に不満があれば運営や管理者に自分の意見を送る、すべての差別に反対している普通のオタクです。

でも物事を「敵味方」「陣営」「党派」「界隈」「クラスター」「友人/他人」なんかで雑に括って見てると、どうやっても変なフィルターがかかるっぽくて、これは人類のバグなんだろうけどTwitterとかだとめちゃくちゃ厄介だな〜と改めて思いました。

人間は一人ひとり、本当に背景も立ち位置も考え方も受け取り方も状態も学ぶ速度も理解の過程も千差万別に違うし、雑なレッテルを貼って「わかったような気」になるのは、もっとも愚かで有害なことのひとつなんだろうな。
私もインターネットで見かける嫌いなタイプの振る舞いをする『アカウント』を自分内カテゴライズに照らし合わせて締め出したり悪く言ったりしがちだから、楽だし、やりたくなる気持ちはわからなくはない(良いことだとは思っていない)

私ほど0か100か思考な奴もなかなかいないよな〜〜〜というか、大きな欠点のひとつだと悩んでいて、できる限り物事のグラデーションを意識して考えられるように勉強したり訓練してるんだけど、意外と世の中には0か100思考の人が他にも多いのかもしれない……でもそれってあんまり良くないと思うから、何か…なんとかしたほうがいいよ…。

いつものように話題がとっ散らかってしまったけど、本当に…どれもなんとかやっていかなきゃなんだよな………。

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