トーベ・ヤンソン『小さなトロールと大きな洪水』感想

ムーミンシリーズの一作目!
スニフがこんな初期メンだとは知らなかったし、チューリップの中から出てきたチューリッパ(すごい美少女!)のことを考えると、スニフだけでなくムーミン達ってめちゃくちゃ小さいんだ…!?という驚きがあった。

何より絵が上手すぎる。

お話は一応ハッピーエンドなんだけど、序文の印象もあり、全体的になんともいえない焦燥感と不安な重苦しさが存在しているように思え、戦争の影を感じてしまう。

出会いもあれば別れもあるという描写のドライさはかなり好きだ。

海のトロール(いい奴!)を内心で見下してるムーミンちゃん達、品がよくないですよ…!

不思議なお菓子の家(庭)みたいなエピソード、食べても殺されそうになったりはしないけど、お腹は壊すし虫歯にはなるしですごいシビアだった。
そんな子ども達のためにママが「お粥とかないんですか?」ってお菓子の家(的なもの)の持ち主に聞くんだけど、お菓子しか無いという…。
やっぱ甘いものだけ食べてると飽きちゃうし、しょっぱいものも食べたくなるよね。

あとムーミン谷に着くまでにはジェットコースターなどもある。すごい世界。

旅先で出会った人達と身を寄せ合いながら、安住の地と行方不明のパパを探す冒険の道程、もし子どもの頃に読んでたらムーミンやスニフに感情移入してたかもしれないけど、今読むととにかくママがすごすぎる。
ママ、マジで大変すぎる。アリジゴクには目潰しされるし…ていうかアリジゴク怖すぎるでしょ。何アイツ!?

年とった男の人のお菓子の庭から貰ってきたチョコレートを「自分はチョコレートが嫌いだから」とかいって子ども達だけに分け与えるママ…😭
でもイライラすると、初めてヤシの木を見て「ばかみたいな木(笑)」なんて言うスニフに「おばかさんなのは、あなたのほうよ」とかマジレスするし、人間臭くて良い。

そういえばニョロニョロって足あったんですね。
耳も聞こえないし口も聞けないけどコミュニケーションが取れないわけではない…のかなあ………?
結果的にパパのいる方向には進めたんだよな……??

赤い髪の少年とチューリッパがひと目あった時からお互いの赤い髪と青い髪を素晴らしいと感じてうっとりして深々おじぎするの可愛かったな〜。
それだけでチューリッパがパーティー離脱して、二人がガラスとの塔で一緒に暮らすことの説得力になってて、良かった。

海のプディングってどんな味なんだろう。海鮮茶碗蒸しみたいなかんじ?(絶対違う!)

お腹を空かせながら雨の中を歩き続けたり、遭難してるネコの一家を救助したりしてるうちに、メッセージボトルを拾い、とうとうムーミンパパの足跡を見つけるところ、なんでも入っているママのバッグにはコルク抜きも入っているのでメッセージボトルも簡単に開けられるの、いよいよドラえもんの四次元ポケットみたいで面白かった。

初対面ではカンジの悪かったコウノトリ、無くした眼鏡(でっかい!)をムーミンが見つけてあげたらお礼にパパを探すのを手伝ってくれることになって、空から捜索することでとうとうパパを見つけるんだけど、洪水で溢れた川から一番高い木の上に避難して『SOS』の旗を振っている絵も良い。マジで絵が良すぎる。

我々の(?)よく知っているあのムーミン屋敷はパパが建てたもので、本当はみんなとその家で暮らそうと思ってたのに洪水で流されてしまったけれど、奇跡的にそのままの形で小さな谷へと流れ着いており、今度こそその家に家族(パパ、ママ、ムーミン、スニフ)みんなで暮らすことになる!というお話でした。

再会したムーミンを見て、パパは「ずいぶん大きくなった」とかなんとか驚いていたので、離れていた時間も結構長いんだろうな。ママ大変だっただろうな…。

洪水で家を失った人達も沢山出てきたけど、みんななんとかなっててほしいな〜。

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