You Tubeの東映チャンネルで約半年かけて配信されていた仮面ライダー龍騎を見終わりました。
龍騎を通して見るのは2回目なんですが、初回とはまた全然違った面白さがあって大変良かった。
以下、龍騎(本編2周目、ライダータイム初見、ノベライズ再読)の感想などをとりとめなく。
大きく印象が変わったのキャラクターが二人いて、一人は真司くん。
とにかく城戸真司が良い奴で、その善性と愚かさに何度も驚かされたり感心させられる。
なかなか煮えきらなくて、覚悟も全然決まらなくて、素直でお人好しで騙されやすくて、でもそこが真司くんの良いところなんだよな。
なかなか真似できることじゃない。
私は北岡弁護士事務所が好きなんだけど、今回改めて「良いな〜」と思ったのが、お互いに褒めや感謝や喜びの気持ちをきちんと言葉にして相手に伝え合うところだった。
「言葉になんかしなくても、お互いを理解し合える」的なやつも通じ合ってて素敵なのかもしれないけど、個人的には北岡さんちのような、小まめで丁寧なコミュニケーションは是非とも流行ってほしい。
ただ、喧嘩もしまくりだけど一年かけてじっくり描かれた真司と蓮の友情みたいなやつも最終的な爆発力が高いのでそれはそれで良い。
本編、TVSP、劇場版、今回はどれも真司と蓮の友情に注目して見ていたんだけど、劇場版の素直な蓮が一番好きかも。
「自分には今まで友達は居なかったけど〜」ってすごい告白してくれて、それもあの蓮が…!と思うと熱い。
見たのが本編→TVSP(放送版、未放送版)→本編最終回→劇場版だったのでなんか余計に蓮〜〜〜〜!てなった。
(いうて蓮もまあ大概お人好しなんだよな……)
大きく印象が変わったキャラクターのもうひとりは神崎士郎で、「こんなの子どもじゃん…!!!」と一度でも思ってしまったらもうずっと可哀想で仕方なかった。
己の願いのためにライダー達に命をかけて戦わせるのは確かに邪悪なんだけど、背景を思うとやるせなさすぎる〜〜〜〜〜!!!!
優衣ちゃんも優衣ちゃんでむちゃくちゃ強いけど色んなもの背負わされすぎだし気の毒すぎる。
ライダーバトルの秘密(目的)を知ると死のうとしがちな優衣ちゃんだけど、私が一番好きなのはエピソードファイナル(劇場版)のやつ。
酷いんだけどさ〜〜〜!覚悟の決まり方と誕生日ケーキのろうそくの絵面の悲愴さが好き。
神崎の慟哭もしんどくて良い(良いのか?)
劇場版はリュウガのキャラクターも良かったな。
少女漫画とかだとわりとよくある「幼い頃に出会っていた二人」だったんですよね真司と優衣。
でもまさかそれがこんなことになるなんて…。
真司くんの人、普段とのギャップもあってリュウガのお芝居がめちゃくちゃ良くて、役者さんてすごいな〜〜〜と改めて思いました。
これはライダータイム龍騎もそう。
■ライダータイム龍騎
RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 EPISODE 1「Advent Again」[公式]
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ライダータイム龍騎はヒヤヒヤしながら初めて見たけど予想よりずっと押さえるところを押さえてくれてて熱くて濃くて面白かったので…良かった〜〜〜…!
まんまとジオウも見返したくなっちゃった。
蓮とゲイツくん似てるネタをぶち込んでくるの思い切りと説得力があって良いですね。
そんでもってよく見るとそこまで似てないな……となった。
手塚さんはあれかな…TVスペシャルといい、意思は強いけど恋人によってわりとスタンスが変わる系の人なのかな………。
戦いはセックスよりも激しい愛し合いである論は闇のオタクのやつですか?????何???
肉体関係やベッドシーン云々とは無関係にセクシーな絵面と関係性をガンガンお出しされて飲み込むのに苦労しました。
ていうか本編の手塚とはちょっとズレてるけどライダータイムの手塚の弱い人間ぽさはかなりモエかもしれない。
手塚の人間的なマイナス面が描写されることで、同じく戦いを止めたがっていた真司くんの主人公ぢからがより際立つのも良かったし。
あと「コショウ取ってくれる〜」「いいよ〜」からの、フン!グサ!は、なんか絵面がヒドくて面白かった。
でもたった今刺し殺した人間の血がついた食器でお肉食べ続けるのは体に悪そうだからやめたほうがいいよ芝浦。
ライダータイム世界の手塚と芝浦が仲良くなるエピソードもうちょい詳しく見たかったな。
どういう経緯でくっついたんだろう?
個人的に手塚というキャラクターの広がりも見れて面白かったので、隠喩ではないベッドシーンがきちんと描かれたのはすごく良かったと思う。賛否両論ありそうですが…。
手塚、記憶を取り戻した最期は何重にも気の毒だったな。
でも人を刺して血のついたナイフ使ってそのまま肉を食べ続ける芝浦とか、やけに思いつめてた吾郎ちゃんとかもだけど、あの世界って結構みんなどこかおかしくなってたりしたのかな………。
手塚「一緒に死んでくれ」
芝浦「殺し合うって、すごい愛情表現じゃない?」
芝浦「俺の愛を受け取ってくれよ、そうすれば俺はあんただけのものになる」
リュウガ「手塚は死んだ。代わりに俺が愛してやるよ」
普通にすごいんですが、マジで何?こんなの闇のオタクが大喜びしちゃうよ!!!!
手塚に裏切られたのに手塚の望むように真司くんにカードデッキ渡して教えてくれた人めっちゃ良い奴で死に方とか可哀想だったな……。
浅倉は北岡先生のことめちゃくちゃ好きだったよな〜〜〜やっぱ……。
事務所で北岡の椅子に座り、助手に尽くされ、料理を食べる、北岡秀一追体験スペシャル。
ご飯が美味しいだの、浅倉に素直な感想を言われると「可愛いじゃん……☺」になりつつ、目の前の光景(浅倉吾郎主従)に脳がついていけないみたいなかんじだった。
吾郎ちゃんどうしたの…???吾郎ちゃん…!!???
いやまあ結局、吾郎ちゃんが浅倉を北岡先生だと思っていたのは嘘で……、という話でしたが、めぐみさん関連といい、吾郎ちゃんて毎回予想を遥かに超えた先生強火秘書なのでびびるんだよな。
浅倉と吾郎ちゃんは北岡先生大好きコンビとして(?)仲良く(??)共闘してたとこ可愛かったな。こんなルートあるんだ…。
王蛇が近接乱闘で場を撹乱してる間に準備を終えたゾルダが後ろからランチャーだか撃つの強すぎ無法コンビで良かった。
しかしライダータイム龍騎であえて不満点を挙げるなら吾郎ちゃんの北岡先生→浅倉の解釈が思ってたのと違ったぐらいかなあ……。
浅倉いわく、「北岡は俺を憎んでいた」というのも……なんか違うんだよな〜〜〜〜……!?好きじゃなかったとは思うけど、嫌いでもなかった気がするし。
浅倉が北岡先生に執着してたのはマジでそうなんだけど、本編の北岡先生はどちらかというと浅倉の本当の望みをわかっていたからこそ最終的に「相手してあげなきゃ」みたいな雰囲気だったように思うし、浅倉にとっては勝ち負けよりも「相手をすること(戦い続けること)」が重要だったので、戦いにあんな形での決着がついてしまう最終回のゾルダvs王蛇戦も虚しさと悲しみが増すんだと個人的には思うんだけど、(吾郎いわく)「浅倉威を倒すことが先生の望み」とか(蓮いわく)「浅倉は死にたがってる」みたいな解釈だったとすると、あそこらへんの人間関係って私が思ってたのとは結構違うな〜〜〜???てかんじ。
リュウガは優衣ちゃんが作った「約束を破ったわるい少年(真司)の姿をしたモンスター」ていう説がわりと好きで、リュウガの望みが本当に優衣ちゃんを助けることだったら、も、萌え〜!!!!!なんだけど、ライダータイムのやつはなんかイマイチそこらへん怪しいんだよな…。
それなら神崎のほうがわかりやすく愚かで一所懸命で可哀想で最悪なところも描かれてるから可愛いし…。
オーディンが最後に「優衣」って呟いて死ぬのもあれだけで神埼兄妹の存在が感じられて良かったな。
リュウガも真司と蓮の友情の噛ませ犬みたいな奴ではある。
めちゃくちゃ格好良いんだけどなビジュアル。黒くて。
本編の神崎や蓮もなんだけど、ライダータイムのアナザー龍騎とか吾郎ちゃんて「愛する人のために他者の命を奪う選択をする」みたいな一途さとか独りよがりさが結構わかりやすく愚かムーブ構図になってて、でもじゃあそういう愚かさが救われたり報われることはないのか?というと、そこでラストの「元気に生きてる恵理さんの指には……」というのが効いてて、私は本編の蓮も大概独りよがりで自己中心的な献身だったな〜と思っていたのでライダータイムはそこらへん厳しくもめちゃくちゃ優しい眼差しだったのでびっくりしちゃった。
「何回記憶を失って出会ってもきっとまた喧嘩しながら友達になるだろう」真司くんと蓮もだけど、本編最終回への明確なアンサーにもなっていて、全体的に優しいんだよな…。
北岡を想う吾郎の攻撃を受けてなんとか生き延びたものの瀕死状態の浅倉!そんな浅倉から真司を庇って貫かれる蓮!とかも男男巨大感情の大盛りスペシャルで凄まじかった。
TVSPが無ければ最終回(正確には49話?)の構図の逆転にももっと燃えたかもしれないけど、「真司と蓮はお互いに記憶を無くしていても何度でもまた出会い、くだらない喧嘩をして……、」というのはハチャメチャにエモだし、蓮のデレの出しかたもエピソードファイナルぽさがあって良かったですね。劇場版の蓮デレ好きなので。
いやTVSPとはまた違った燃えがあったのでこっちのほうが好きかも。
EP1のラストの盛り上げ方から期待した通り、やっぱ全編通して真司くんと蓮の友情が丁寧に描写されてるのがいちばん良かったです。
どうしても会いたかった友達にまた会えて良かったな〜!!
なんかもっとヤバいのを覚悟していたから本当に安心しました……思ってたより全然良かったよライダータイム龍騎…。
■ノベライズ
これを機に久しぶりに読み返しました。
小説 仮面ライダー龍騎 (講談社キャラクター文庫)
前読んだ時に書かれているすべてのことにショックを受けて記憶の大半を失ったらしく、蓮と優衣ちゃんがセフレなこともすっかり忘れてて新鮮にショックを受けるなどした。
作中、蓮と優衣の関係性を説明する言葉で「セフレだ」という台詞が出てきたのもう普通に笑っちゃったよ。
関係ないけどもしドンブラザーズのノベライズを闇の井上敏樹が担当したら、鬼頭さんの年齢設定が成人になってて、猿原と肉体関係があるとかいう描写めっちゃ出てきそうだな………とかぼんやり嫌なことを考えてしまったんだけど、実質未来から来た猿原と鬼頭さんてそれじゃない…!!???
でも闇の小説家井上敏樹が書くタロウとソノイはかなり見たいすぎるんだよな……………絶対すごいことになるので……まあ本編でもすごいことになっていますが……。
閑話休題
「ニチアサ枠というストッパーが外れたために無駄なエログロ要素を入れてイキってんのかな?」と読めなくもないんだけど、小説版は神話やおとぎ話に出てくる英雄とか怪物のお話みたいなものだと思うと結構スッ…と飲み込める。
なので、文章量のわりにカロリーも高い。
本編はあくまでも人間の願いの話だったんだよな…。
神話めいた概念の原液を次から次へと注ぎ込まれる小説なんだと思う。
私は城戸真司はあくまでも「普通」の青年であってほしくて、小説版のぶっ飛んだ思考と背景が好きじゃなかったんだけど、『人間』ではなく『英雄』のお話だと思えば途中式が違うだけで答えが同じなのもまあまあ頷けるかなあ…という感触になりました。なったかなあ…。どうだろう…。
そう考えると、失われた果樹園の林檎なんかも象徴的なモチーフに思える。
でも、理由がついたことで見方によってはむしろ人間ぽさの増している部分もあるので怪物とかはあんま言うのも良くないのだろうか…。
まあ『なんでも屋』の城戸真司よりも、『OREジャーナル』の城戸真司が私は好きという話なのかもしれないんですが。
劇場版とかにも出てきたファムこと美穂が真司と喧嘩したりイチャイチャしたり殺し合ったりセックスしたりするけど美穂の最期は(シチュエーションは違うけど)映画とだいたい同じ。
でもこのシチュエーション(自分の意思で海に向かって一人で沈んで死ぬ)というのもドンブラザーズを経た今読むと象徴的なイメージに思える。
美穂自体はわりと好きなキャラクターだけど、真司と蓮の友情を盛り上げるための前座感もあるので、ここらへんの扱いに関してはあんま好きじゃないんですよね……。
優衣ちゃんは引き取られた家の事情も違うし、自死に成功しちゃうし、本当に救いがない。
ただ、「自分を愛さないことがわかっている相手とだから寝る」のはヘキのやつなので良かった。
本編では子どものまま、大人になること(変わること)ができなかったのが神崎士郎だと思ってたんだけど、ノベライズの神埼はまた別のものに変わり果てていてそれもつらい。
ノベライズに比べたら本編にハッピーエンドを感じられるようになってお得なのかも……!?
戦えなくなった北岡のかわりに吾郎がゾルダとしてミラーワールドに赴き王蛇と戦うという部分は同じなんだけど北岡弁護士事務所も相当つらくて、真司が今まで見てきた人間すべてのなかでもっとも美しい北岡秀一と、もっとも醜い由良吾郎というのはまあわりと面白かったんですが、どんどん記憶が失われていく北岡さんが吾郎ちゃんのこともわからなくなって暴力振るうのとか超〜つらかった。
先生の病気が治るまでは願掛けに『誓いの金の糸』で自らの口を縫い付けて喋ることをやめた吾郎ちゃん重いし。でもこの吾郎ちゃんはライダータイムの吾郎ちゃんとかなり同一人物ぽさがあるんだよな。
弁護士事務所も、悲劇的な結末含めて北岡が『英雄』の造形で吾郎が『怪物』的な造形のキャラクターだった。
浅倉の生い立ちとかも凄まじいんだけど、個人的にホームレスの人達のアイドルになって寵愛を受ける威に良くないエロさを見出してしまって駄目なオタクだった。
浅倉威というキャラクターも2周目見るとこんなにセクシーな造形だったのか……とびびりまくってたんだけど、ノベライズも相当なんだよな……。
真司と蓮の最後の勝負の結果がどうなったのかもかなりわかりやすかったですね。
蓮の過去とか背景も相当えげつないんだけど(犬を………殺すな………!!!!!!!)怒涛のデレ独白が入るのは劇場版味のスペシャル版てかんじで可愛くて良かったんだよな〜…!!!
ライダータイムの手塚もだけど、ノベライズの蓮も追い詰められると愛する者との心中(※)を望むんだな……という驚きがあった。
真司くんは素直なので、唯一まともに(?)話を聞いてくれたという蓮のことを高く評価するんだけど、それ他の奴らがガチで最悪すぎただけなので詐欺とかに引っかからないか心配ですよ。
そういう意味ではライダータイムの手塚チームはわりとみんな心配だな。
なんだかんだでノベライズも真司と蓮の友情に収束する。
『自分の願いをかけて戦う13人くらいのライダー達』『失われかけている大切な人の命を救うために他者の命を犠牲しようとするやつら』などのわかりやすい要素を除いた時に残るのって『真司と蓮の戦いの中で芽生える友情』なので、仮面ライダー龍騎ってそういう話なんだろうな。
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改めて、仮面ライダー龍騎、ド名作だった………と思える良い体験ができたので配信ありがとう〜!でした。
東映はマジでちゃんとしてくれ………。
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