斜線堂有紀 著『ヒュブリスの船』を読んだ

NOVA 2023年夏号に収録されている『ヒュブリスの船』を読んだ。

NOVAの表紙

先日無料公開されていた『選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい』と『那由他と絶対結婚したいずっと隣で寝て食べて映画観たい』がすごい凄くて良かったので、買ったきり積んであったアンソロジーの中からヒュブリスの船を読み始めた。

 

 

とにかく悲惨な地獄のような話で、読んでてテッド・チャンの『地獄とは神の不在なり』を思い出してしまった。
エピソードとかではなく、なんか…テーマ?モチーフ?がさ……似てるというか、読み手の私が刺激される部分が近いというかんじ……?

あとギミックと事象は間違いなくSFなんだけど、概念としては新本格ミステリの『新』の部分(イメージ)のミステリってかんじなんだよな…🤔

ループSFミステリといえば『七回死んだ男』とかが最初に思い出されるんだけど、小説に限らなければもっと沢山ありそう。
ひぐうみとかもそういうやつなんだろうし、ミステリではないけど恒川光太郎の『秋の牢獄』もちょっと思い出す。
レイジングループもそういう系統か。

『探偵』という、物語の神(デウス・エクス・マキナ)であり駒(装置)である存在が、そのことに関して傲慢であったり自覚的であったり苦悩していたり開き直っている様々な姿に興奮をおぼえるオタクなので、こんな酷くて胸くそ悪い話なのにハチャメチャ喜んでしまった。

探偵と犯人の間に流れるある種のメタ共犯者的な雰囲気がセクシーなのも良かった…。端的に言ってエッチだと思う……!!!良かった。後味最悪で胸くそ悪いけど。

結局ループは抜けられたのだろうか……?たとえ抜けられたとしても彼らはもう………、なので本当に酷い。
この酷さ、かなり地獄とは神の不在なり味なんだよな……………………。

💡ていうかもし『神様』が「セックスしないと出られないループ船」に萌えてる奴だったとしたら、探偵×犯人(もしくは犯人×探偵)が見たくてループさせてた可能性あるじゃん……!!??(ないよ)
灘嶺がスタッフの女性と肉体関係を持った回数がそれぞれ記されていたのがヒントだったんだよな…!?(???)

誰かを殺す殺さない以外の様々な可能性にも思いを馳せてみたら良かったのに……!?そうかな…!?
でももし本当にそういう話だったとしたらセックスしないと出られない部屋の中でもだいぶ最悪なやつだと思う(セ部屋は元から最悪ギミックですが…)
こうしてみると最悪さ含めてめちゃくちゃセ部屋概念に近いな…?
いや全然そういう話ではないんですが………。

で、読了後に解説?を読んだら作者が『地獄とは神の不在なり』にインスパイアされた小説があると紹介されてて、検索したら早川書房半額セールの対象だったので買うしかないでしょ!!!!!!と思って買ってみました。

楽園とは探偵の不在なり (ハヤカワ文庫JA)
https://amzn.asia/d/dWmk1oh

地獄とは神の不在なりを読み返しておさらいしてから読もうと思う。
でも地獄とは神の不在なりを読んだら『オムファロス』も読みたくなるんだよな……オムファロス、地獄とは〜を読んで傷ついた心に元気と勇気を与えてくれたお話だからめちゃくちゃ好き。

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