スパイラル〜推理の絆「結崎ひよの」の話

スパイラルのネタバレとうたわれの話(ネタバレ)なんかもしているメモ


結崎ひよのの良さは「何故かずっと主人公を励まし支え助けてくれる明るくて元気で可愛くて強くて有能で賢い、『主人公にとって都合の良いヒロイン』が実は依頼を受けて”自分の意思で”それを演じていたこと」なんだけど

個人的に報酬目当てだとなお良いと思うし(報酬は金銭のみとは限らない)もしかしたら依頼を受けざるを得ないようなとこまで清隆に追い詰められる一幕があったのかもしれないけど

因縁があるとか、心の弱さを利用されて唆されたり洗脳されたとか、操られていたとか、闇堕ちしたとか、人の心が一切無い・わからないとか、実はもうひとつの人格があった…などなど…
そういった彼女を責めないで済む”逃げ”とも読める理由が一切無くて、中の人は「自分の意思で」仕事を受けて、清隆に作られた「歩にとって都合の良い架空のヒロインキャラクター」を演じていただけでありその仕事ぶりは最後にピアスを清隆に渡すところまで含めてあくまでもきちんとしている

しかし彼女の命までかけた細かい行動の数々は依頼主に指示されたものではなくほぼ中の人のアドリブで、下手したら死んでいたかもしれないレベルのいくつものアドリブこそが歩を助けてきたという厚みのある事実がめちゃくちゃ好きなんだけど、それも含めてあのラストだからこそ二人の関係性は最高のものになっているし、マジで当時の少年漫画誌連載作品としても「主人公の男と人間として対等で、きちんとした意思を持ち自立した女性キャラクター(情が無いわけではない)」としての強度が高いので本当に本当に死ぬほど好きだな……結崎ひよのも結崎ひよのというキャラクターの扱い方も…と改めて思った

清隆と歩の対決のあと、中の人として歩に話をする彼女、本来仕事はもう終わっているのでそんな必要はないはずなんだけど、どうしても言っておきたいことだったんだろうなと思うと彼女にとっても虚構のキャラクターを演じていた日々がいかに大切な時間になっていたのかがわかると同時に彼女の誠実さや善良さがうかがえて良い(ストーリー的には種明かしエピソードが必要というのもわかる)

歩が「結崎ひよの」の名前すら覚えてないところメチャクチャ清隆とか運命への叛逆仕草だよな…彼女のこと自体は憎からず想ってるというかむしろかなり気に入ってることこんなに伝わってくるのに…
そしてあそこまで完璧に仕事を終えた彼女が依頼主の清隆を嫌っていて「許さない」でいてくれることこそが読者のみならず清隆にとっても救いになるというこの……この………!!!!!

だから最後に裏切りそう(?)な都合の良いヒロインのこと見るとすぐ「結崎ひよのか!?」と一瞬は思うけど、実は「結崎ひよのコード」はそこまで単純なものではなく、むしろそこに至るまで「女性キャラクターをきちんと人間扱いしている必要がある」ので都合の良いヒロインとしてのそれよりも、むしろ少女漫画作品などで視点を変えたりしたやつのほうが近いものがあったりするのかも?
(そういう意味で結崎ひよのの中の人はかなり赤石路代の「プライベートアクトレス」味なんですよね)

「何故か主人公を励まし支えて自分を犠牲にしてでも主人公をケアしてくれる都合の良い女ヒロイン」はフィクション作品にめちゃくちゃめちゃくちゃよく出てくるけど理由としては「そ、そんなの主人公のことが好きだからに決まってるでしょーっ!///」とかなので、私はそういうところをあえて外されたりきちんとした理由をつけられると弱いのかも……?

「うたわれるもの」初代のヒロインであるエルルゥは薬師として唯一のヒーラーユニットであり、主人公が死ぬとゲームオーバーになりがちなゲーム部分において(勿論ストーリーにおいても)健気に主人公ハクオロを回復し支えて励ましてケアしてくれます
当事者には途中まで記憶がないんだけど実はそれは「どんな時もハクオロの側にいてハクオロを癒やすこと」というエグい「契約」をしていたからという理由が終盤に明かされ、私はそこがメチャクチャ好きで、「そんな都合の良い女がいるわけないんだよな………(いるとしたら社会的な抑圧や規範の影響を無視することはできないので美談としては見れない、むしろドライな関係性だったり酷い話のほうが納得がいく)」という心が満たされるからなのかもしれない…みたいなことを考えていた

まあその内に別の感情が芽生えるというのは普通にあると思うし最初の動機や目的がなんであれ一緒に過ごすうちに絆されたりお互いのことをよく知って深い仲になっていくのは大好物なんですよね〜!!!!!

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