運命のひと

和装の姉と弟。カメラを携えた青年との邂逅。

自分の生きている世界が「物語」の世界だという事実を何故か子供の頃から確信していた大学生Aは「主人公」としての使命感と、まだ見ぬ自分の運命に焦がれていた。

夏休み。カメラを携えて出かけた先の小さな村で、世間から隠れるように育った旧家の美しい姉弟に出会う。

幼い姉弟の姉にひと目で心を奪われ「自分は彼女のためにこの地に骨を埋める日が来る」という天啓を受けたAは、姉弟の家に使用人として就職し、様々な困難*を乗り越えながら姉弟と村人達の信頼を勝ち取っていった。

姉が18になる年、村で失踪事件が起こる。
騒然とする中、失踪した村人の縁者を名乗る謎の青年が現れ、村とAと姉弟の運命は大きく変化してゆく。

失踪事件は殺人事件に発展し、人々の間には緊張が走る。
殺伐とした空気を物ともせず、素人探偵めいた調査を進める謎の青年。調査を通じて良い雰囲気になっていく青年と姉。

(時に虫除けになったり時に青年に求められた情報を漏らしたりしつつ)事件と彼らの心の触れ合いを観察しているうちに、Aはようやく自分がこの物語の脇役であり、謎めいた青年こそが本当の「主人公」である可能性に気づくのだった。

ADVゲーム風の画面。使用人Aが昨夜のアリバイを語っている場面。使用人Aは主人公と話す時だけ眼の前に現れる謎の窓の存在が気になるようだ。

*様々な困難→人見知りの弟が誘拐されかけたところを助けたり、姉の許嫁の成金野郎を撃退したりなど

様々な困難のひとコマ。ボロボロの使用人Aが弟を抱きかかえながら相手を指差し「二度とこの子に手ェ出すんじゃねえぞ!」と怒鳴っている。Aを見つめる弟の頬は少し赤く染まっている。
2024年5月30日更新

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